1.概要
Summary of Simple RF power meter
マジックアイを利用した超簡略版のRF電力表示が結構うまく機能することが解ったので、これを利用してもう少し精度よく(10%ぐらいの精度で)RF電力が測れないか検討してみました。
I have investigated a measuring method of RF power accurately with simple circuits.
2.RF電力計の検討回路
A mathematical model of RF power meter
50MHzの50Ω終端における電力を測るRF電力計の数学モデルを次に示します。
R1:送信機出力インピーダンス
R2:50Ω終端
C1:結合コンデンサ
C2:出力電圧平滑コンデンサ
L1、L2:線路のインピーダンス
R3:測定器出力終端抵抗(C2の放電用でもある)
R4:無視してください
R5、R6:レベル調整抵抗
D5~D10:UHF用ショットキーダイオード(3本直列は耐圧の問題)
この数学モデルが成り立つ条件として、次のとおり仮定します。
10kΩ以下の金属皮膜抵抗は、50MHzにおいてその浮遊容量と浮遊インピーダンスはほぼ無視できる(2%以下)。なお、100KΩはその影響が無視できませんが並列接続されている100pFによって実質的にキャンセルされていると考えられます。
高周波用のディスクセラミックコンデンサは50MHzではインダクティブと考えられますが、そのインピーダンスは1Ω以下と考えられるので、その影響は無視できると考えられます。
つぎに50MHzでは線路がインダクタンスとして働くので、その大きさを10nH/cmと仮定しました。
(注)
金属皮膜抵抗の等価回路の出展:KOA(株)
セラミックコンデンサの等価回路:ネット上の一般論より
線路のインピーダンス:電磁気学的に計算できるようですが、一般論として20nH/inchといわれています(見積値としては大きめ、実際はこれより少ない)。
なお、余談ですが、チップ抵抗は1GHz程度まで、チップコンデンサは100MHz程度までフラットな特性のようです。
3.シミュレーション解析結果
Analysis results of circuit simulations
シミュレーター上でRF出力電力を変化させて電力計の出力電圧とその電圧に相当するマジックアイの窓の状態を解析した結果を次に示します。
さらにもう少し、出力電圧とRF出力電力の関係を調べてグラフに表すと次のようになります。
シミュレーションではモデルの関係でダイオード3本直列(約1Vの電圧ドロップ)で解析していますがダイオード1本で実現できれば、出力電圧5V近辺で約0.7V出力電圧は上昇します・・・20%程度RF出力に影響します。このことより、実機で使用するダイオードの電圧ドロップを実測し、前出のグラフを補正すれば、もっと精度は上がり結構正確にRF出力電力が測れると思われます。
実機での検証結果は、別途まとめてみたいと思います。
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